絵が売れなかった僕がやめた営業手法3選

art
絵が売れなかった僕がやめた営業手法3選

絵が売れないのは、才能の問題ではありません。多くの場合、間違った営業方法に時間を使い続けていることが原因です。僕は画家として活動しながら会社も経営していますが、絵が全く売れなかった時期、良かれと思って続けていた営業を3つやめた瞬間から、売上の流れが変わりました。この記事では、その3つの方法と、やめた理由、代わりに何をしたのかを、実際の数字とともにお伝えします。

副業でイラストを売りたい方が、同じ回り道をしないための実体験レポートとして読んでください。

なぜ絵が売れないのか?営業の「量」より「設計」が問題だった

絵が売れない原因を「発信量が足りないから」「まだ知名度がないから」と捉えている方は多いと思います。僕も最初はそう考えていました。ですが実際に売上が動き出したのは、投稿数を増やした時ではなく、営業のやり方そのものを絞り込んだ時でした。

経営者としての視点で見えた「営業の勘違い」

会社経営では、施策ごとに「投下した時間・コスト」と「得られた成果」を必ず数字で見ます。ところが絵の営業に関しては、僕自身、この視点が完全に抜け落ちていました。1件の販売のために何十時間もかけていることに気づかず、ただ「頑張っている感覚」だけで続けていたのです。

画家としての視点で見えた「作品との向き合い方」

もう一つ気づいたのは、営業に時間を割くほど制作時間が削られ、作品の質が落ちていくという悪循環です。売るための行動が、売れる作品を生み出す時間を奪っていました。この矛盾に気づいたことが、営業方法を見直す最初のきっかけです。

やめた営業方法①:SNSでの毎日投稿

一つ目にやめたのは、「毎日投稿すれば見てもらえる」という前提に立った、内容を伴わない量産型のSNS投稿です。

実際の数字:毎日投稿していた8ヶ月間の結果

私の場合は、絵を始めて1年目にX(旧Twitter)とInstagramに毎日1枚ずつ、合計8ヶ月間で約480枚の作品を投稿しました。フォロワーは1,200人ほどまで増えましたが、この期間に成立した販売はわずか3件、売上にして42,000円でした。時給換算すると、1枚の投稿と制作にかけた時間(平均2時間)に対し、割に合わない数字だったと今では分かります。

やめた理由:フォロワー数と購入者数は別物だった

実際にやってみると、「いいね」やフォロワーは増えても、購入という行動にはほとんど結びつかないことが分かりました。見てくれる人と、お金を払ってくれる人は、まったく別の層だったのです。この事実に気づかず投稿数だけを追っていたことが、最初の営業ミスでした。

代わりにやったこと

投稿頻度を週2回に減らし、その代わり「制作の過程」や「その作品に込めた背景」を丁寧に伝える投稿に絞りました。結果、投稿数は4分の1になりましたが、翌半年での販売件数は3件から11件に増えました。

やめた営業方法②:知人・友人への直接売り込み

二つ目にやめたのは、知人や友人、SNSでつながった知り合いに個別メッセージを送って作品を勧める、いわゆる直接営業です。

実際の数字:成約率とその後の関係コスト

私の場合は、知人約60人に個別で作品を紹介するメッセージを送りました。成約したのは4件のみで、成約率は約6.7%です。さらに問題だったのは、断られた56人のうち何人かとの関係がぎこちなくなり、その後SNS上での交流も減ってしまったことです。売上以上に、人間関係という資産を削ってしまいました。

やめた理由:「売り込み」と「関係」は両立しにくい

実際にやってみると、知人は「作品が欲しいから買う」のではなく「断りづらいから買う」ケースが多く、リピートにはほぼつながりませんでした。一方的な売り込みは、短期の売上より長期的な信頼を先に失うリスクの方が大きいと痛感しました。

代わりにやったこと

個別の売り込みをやめ、代わりに個展やイベントに知人を「お客様」としてではなく「観に来てくれる人」として招待する形に変えました。押し売りの要素をなくしたことで、逆に知人経由の紹介購入(知人がさらに別の人を連れてくる形)が増えていきました。

やめた営業方法③:画廊・ギャラリーへの飛び込み営業

三つ目にやめたのは、アポイントなしで画廊やギャラリーを訪問し、作品を持ち込んで置いてもらえないか交渉する飛び込み営業です。

実際の数字:訪問件数に対する採用率

私の場合は、半年間で都内・近郊のギャラリー18軒を飛び込みで訪問しました。作品を置いてもらえたのは2軒のみで、採用率は約11%です。しかも1軒あたりの移動・待ち時間を含めると平均3時間かかっており、18軒で合計54時間を費やした計算になります。

やめた理由:時間対効果が経営として成立しなかった

経営者としての視点で見ると、この54時間を制作や、後述する紹介ベースの営業に充てていた方が、明らかに費用対効果が高かったと分かります。飛び込み営業は「行動している安心感」は得られますが、成果につながる確率が低すぎました。

代わりにやったこと

飛び込みをやめ、すでに信頼関係のあるギャラリーオーナーや過去の購入者からの紹介経由でのみ、展示交渉をするスタイルに変えました。件数は減りましたが、紹介経由での採用率は約60%まで上がり、時間あたりの成果は大きく改善しました。

営業をやめたことで変わった数字の比較

やめる前とやめた後で、実際にどれくらい数字が変わったのかを比較します。

項目やめる前(1年目)やめた後(2年目)
月間営業時間約60時間約18時間
年間販売件数7件23件
年間売上約9万円約58万円
制作時間(月)約20時間約55時間

営業に使う時間は3分の1以下になった一方で、売上は約6.4倍になりました。この結果から言えるのは、「営業の量を減らす=売れなくなる」ではなく、成果につながらない営業を削るほど、制作と成約率の高い活動に時間を回せるということです。

僕自身のこうした試行錯誤の経緯は、熊内孝之のストーリー記事により詳しくまとめていますので、あわせて読んでいただくと、なぜこの3つをやめる決断に至ったのかの背景がより伝わると思います。

よくある質問(FAQ)

Q1. 絵が売れない初心者は、まず何をやめるべきですか?

成果を数字で確認できていない営業から見直すことをおすすめします。特に「毎日投稿」「知人への個別売り込み」は、成果測定をせずに続けやすい典型例です。まずは1ヶ月分の投稿・営業行動と、それに対する成約件数を書き出してみてください。

Q2. SNSをやめた方がいいのでしょうか?

やめる必要はありません。私の場合も投稿頻度を減らしただけで、SNS自体は継続しています。重要なのは「量」ではなく「作品の背景や制作過程まで伝わる内容」に切り替えることです。

Q3. 副業でイラストを売る場合、月に何時間くらい営業に使うのが適切ですか?

作品数や単価によりますが、僕の実例では月18時間程度の営業(週4〜5時間)で年間23件の成約につながりました。営業時間を増やすより先に、どの営業手法の成約率が高いかを見極める方が優先度が高いです。

Q4. ギャラリーに置いてもらうには紹介がないと難しいですか?

必須ではありませんが、私の実例では飛び込み(採用率11%)より紹介経由(採用率約60%)の方が明らかに成約率が高い結果でした。まずは1軒でも信頼関係を作り、そこからの紹介を狙う方が効率的です。

Q5. 絵の営業で失敗した経験は、公開しても大丈夫ですか?

僕自身、失敗した数字も含めてブログで公開していますが、それが逆に「実体験に基づく信頼できる情報」として読者に伝わっています。数字を隠さず出すことが、他の作家との差別化にもつながると感じています。

まとめ

絵が売れなかった時期にやめたのは、①毎日投稿のSNS営業、②知人への直接売り込み、③ギャラリーへの飛び込み営業の3つです。やめたことで営業時間は3分の1以下になり、年間売上は約6.4倍になりました。営業を「増やす」前に「減らす」視点を持つことが、副業でイラストを売る第一歩です。次は、僕がこの決断に至った経緯をまとめた熊内孝之のストーリー記事もあわせてご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました