NFTと確定申告の基本知識
なぜNFTに確定申告が必要なのか
NFTアートやNFTゲームで得た収益は「雑所得」または「事業所得」として課税対象となります。
たとえば OpenSeaで作品を売却してETHを受け取った場合 や NFTを売買して利益が出た場合 は申告が必要です。
NFT取引で課税対象となるケース
- NFTを売却して利益が出た
- NFTを使って報酬(ETHなど)を受け取った
- NFTのトレードで差益が出た
- 仮想通貨をNFT購入に使った
申告漏れによるリスク
- 追徴課税や延滞税の発生
- 税務調査の対象になるリスク
- 信用情報に影響
NFT確定申告に必要な準備

取引履歴の収集(取引所・ウォレット)
国内取引所(Coincheck、GMOコイン、SBI VCトレード)は取引履歴をCSVでダウンロード可能。
MetaMaskや海外取引所利用時はウォレットアドレスを解析してデータ取得する必要があります。
NFT売買・送金履歴の整理方法
- 日時
- 取引内容(購入/販売/送金)
- 金額(日本円換算)
を記録しておくことが重要です。
仮想通貨取引所の利用で効率化する方法
国内取引所を利用すれば、日本円建ての入出金履歴が明確に残るため、会計処理がしやすくなります。
NFT確定申告をサポートする3つの方法

税理士に依頼する場合のメリット・デメリット
- メリット:正確で安心、税務調査リスクを軽減
- デメリット:費用が高め(年間数十万円かかることも)
👉 クリプト税理士 に依頼すれば、仮想通貨・NFTに特化した専門知識を持つ税理士に相談可能。
会計ソフト(CRYPTACTなど)を使う場合
- CRYPTACT(クリプタクト) は国内外の取引所・ウォレットに対応
- 自動で損益計算、年間取引報告書を作成可能
- 費用は年間数千円〜数万円で税理士より安い
取引所データを活用する場合
- Coincheck・GMOコイン・SBI VCトレード では取引履歴をCSV出力可能
- 会計ソフトや税理士に渡せば申告がスムーズ
NFT確定申告におすすめの取引所比較

Coincheckの特徴と申告サポート
- シンプルなUIで初心者向け
- 取引履歴をCSV出力可能
- NFTマーケットプレイス「Coincheck NFT」もあり一括管理が可能
GMOコインの特徴と申告サポート
- 送金手数料が無料
- 取引履歴をExcel形式で出力可能
- 会計ソフトとの相性が良い
SBI VCトレードの特徴と申告サポート
- 大手金融グループの安心感
- セキュリティが強固
- 年間取引報告書を公式で発行
比較表|取引所ごとの確定申告サポート機能一覧
| 取引所 | 履歴ダウンロード | 年間報告書 | 手数料 | NFT連携 |
|---|---|---|---|---|
| Coincheck | CSV出力可 | 一部対応 | やや高め | Coincheck NFTあり |
| GMOコイン | Excel出力可 | 非対応 | 送金無料 | なし |
| SBI VC | PDF報告書 | 対応 | 標準 | なし |
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CRYPTACT(クリプタクト)の特徴
- CRYPTACT は主要取引所に自動対応
- NFTやDeFi取引にも部分対応
- 自動計算で申告書作成の時間を短縮
クリプト税理士に依頼するメリット
- クリプト税理士 は仮想通貨専門の税理士
- 個人事業主・副業でも相談可能
- 難解なNFT損益計算も丸投げできる
会計ソフトと税理士を併用するパターン
- 日常の記録はCRYPTACT
- 最終チェックを税理士に依頼
- コストと正確性のバランスが取れる
NFT確定申告の実践ステップ
NFT確定申告でよくある失敗パターンとその対策

NFT(ノンファンジブルトークン)の売買・送金・使用を含む取引は、仮想通貨と重なるところもあれば独自の注意点もあります。以下は実務でよく見られるつまづき例と、それを回避・是正するための対策です。
1. 履歴漏れ(取引データ・ウォレットデータの取りこぼし)
失敗例
- 国内取引所ではなく、海外取引所やDEX(分散型取引所)を使ったが、その取引履歴を申告資料に反映し忘れた
- NFTを購入した、あるいは売却した後、ウォレット間で送金したが、その送金記録を無視して計算し直さなかった
- OpenSea や Rarible などマーケットプレイスでの取引がウォレット履歴に反映されていない部分を見落とした
対策
- 全ウォレット・全チェーンを網羅する
MetaMask、仮想通貨ウォレット、ハードウォレット、Layer2、別チェーン(例:Polygon, Solana等)を使っていれば、それぞれのチェーン・アドレスに対して履歴を取得する - 取引所 CSV / API / ブロックチェーン探索ツールの活用
取引所(国内/海外)の履歴CSV取得、API取得を活用する。さらに Etherscan、Solscan、Polygonscan 等のチェーン探索ツールを使って、ウォレットアドレスに紐づく取引を網羅的に確認。 - 定期的に記録を取っておく習慣
取引のたびに日時・内容・金額・関係するウォレットアドレスなどをメモしておく。後から「忘れていた取引」が出てこないように、日次・週次での確認をルーチン化。 - 会計ソフト・損益計算ツールへの統合
Cryptact など、複数取引所・ウォレットをひとつのプラットフォーム上でまとめられるツールを使い、抜け漏れを防ぐ。取り込みできないチェーンやマーケットプレイスがあれば手動入力で補う。
2. 時価(日本円換算レート)ミス
失敗例
- 取引発生時の仮想通貨価格を誤って使ってしまい、正しい日本円換算ができず申告数字がズレる
- 為替レートが複数時間刻みで変動するのに、定型レートを使って計算してしまった
- NFTを買ったとき・売ったときのレートを混同してしまった
対策
- 取引発生日または取引時間近辺のレートを使う
仮想通貨を購入・売却・消費した際には、そのタイミングの対日本円レートを使って換算。「直近の取引時価格」または「取引所提示レート」を使う。 - 信頼できるレートソースを使う
CoinGecko, CoinMarketCap, 取引所の公式レートなど、信頼性のある価格情報を参照。使ったレートソースを明記しておくと、税務調査時の説明がしやすい。 - 為替差損益を意識する
仮想通貨を含む通貨間の取引では、為替差損益(円建てでの変動)も影響する場合があるため注意。特に長期間保有していた仮想通貨でNFTを購入した場合は、仮想通貨自体の価値変動が影響する。 - ツールで自動換算機能を活用
損益計算ツールや会計ソフトでは、自動的にレート取得・換算してくれるものを使うとミスが減る。
3. 税率・所得区分の誤解
失敗例
- NFT収益を「雑所得」ではなく「事業所得」として認識してしまい、経費扱いや税計算を間違える
- 累進課税制度を理解せず、税率(所得税+住民税)を過小に見積もってしまう
- 赤字や損失を他の所得と相殺できると思い込む
対策
- 所得の区分を正しく区別する
多くの場合、NFT取引で得た利益は「雑所得」として扱われます。ただし、頻繁な取引やクリエイター・販売事業として運営しているケースでは「事業所得」と判断される可能性もある。
→ 自分の主な活動形態・規模・継続性を検討して、どちらが適切かを見極める。 - 累進課税を前提に計算する
雑所得は総合課税に組み込まれ、他の所得と合算して累進税率が適用されます。所得が多くなるにつれて高い税率が段階的にかかる。
→ 所得金額と税率の目安を理解して、税負担を逆算する。 - 損失の繰越・他所得との損益通算に制限があることを理解する
雑所得の損失は原則として翌年以降に繰越すことも、他の所得と損益通算することもできません。
→ 損失が出た年でも「無申告」で放置するのではなく、マイナスであっても申告する意義を考える。 - 必要経費の適切な取扱い
NFT取引に関わるガス代、ウォレット手数料、通信費、取引所手数料などを「必要経費」として認められる可能性がある。ただし、すべてが認められるわけではないので、明確な根拠と記録(領収書・ログ等)が必要。
4. 申告漏れ・遅延・帳簿不備などの対応ミス
失敗例
- 申告期限を過ぎてしまい、延滞税や加算税が発生
- 帳簿を適切に保存しておらず、税務調査で説明できない
- 取引証明書や領収書などの証拠資料を整理しておらず、調査時に困る
対策
- 期限管理を徹底する
確定申告の締切日、延長可能性、有効な申告方式(e-Taxなど)を把握。早めに準備を始める。 - 帳簿・証憑の保存
取引履歴、取引所・ウォレットのログ、ガス代明細、手数料明細、レート取得元の記録、送金記録、領収書などを整理・バックアップして保存(紙/電子ともに)。 - 不備があれば修正申告・更正の請求を活用
万が一誤りや漏れがあった場合、期限内であれば「修正申告」、期限後も対応できる場合は「更正の請求」を検討する。 - 専門家のチェックを受ける
クリプト税理士や仮想通貨・NFTに精通した税理士に、申告前チェックや書類添削を依頼する。特に大口取引や複雑な取引が絡む場合は有効。
5. その他細かい落とし穴・注意点
- NFTを報酬として受け取ったケース
NFTを報酬手段(例えばクリエイター報酬やサービス提供の対価)として受領した場合、その時点での時価で所得計上が必要。 - ガス代や手数料の按分処理の誤り
たとえば NFT売買とガス代を別扱いにするのではなく、売買価格および手数料込みで損益を算出することが求められるケースもある。 - 日本国外取引所の対応(国外所得)
国外取引所やウォレットでの取引は、国内と異なるルールが適用されることも。国外所得としての扱い、外国税額控除、為替換算ルールなどに注意。 - NFTを使用(ステーキング、レンタル、ロイヤリティ収入など)
NFTを保有しているだけで得られる報酬(ロイヤリティ、使用料など)は所得として課税対象となる。使用形式が複雑な場合は、収益発生時点・費用按分の根拠を明確に。
失敗を防ぐための指針

- 網羅性を重視:すべてのウォレット・チェーン・取引所を対象に履歴を取得
- レート・換算精度を担保:信頼できるレートソースを使い、取引タイミングで換算
- 所得区分・税率を正しく理解:雑所得か事業所得かの判断、累進課税の影響
- 記録・証憑はきちんと保存:帳簿・証憑を整理・保存し、税務調査に備える
- 専門家やツールを活用:会計ツールや税理士に頼ることでミス防止と効率化を図る
まとめ|NFT確定申告を効率化する最適な選択肢

NFT確定申告は「取引所データ+会計ソフト+税理士」の組み合わせで効率化できます。

