ストリートアートと落書きの違い【バンクシーが社会に与える影響】

ストリートアートと落書きの違い【バンクシーが社会に与える影響】art
「ストリートアートと
落書きって何が違うの?」
「ストリートアートの
存在価値について教えてほしい」
「バンクシーはなんで
世界中から評価されているの?」
案外この問いに対して明確に答えられない人はたくさんいます。
おそらく答えがあるようでないというのも理由に挙げられるからだと思います。


ストリートアートと落書きの境界線はどこで分けられるのか。
ストリートアートにはどのような意図があって作成されているのか。
なぜ落書きなのにバンクシーは評価されているのか。

このような疑問について、僕自身が思うストリートアートと落書きの違いを
本記事では詳しく解説していきます。


この記事を書いている僕はストリートアートはしていませんが
画家として活動しています。
芸術関係の会社を立ち上げて3年。日々アートについて考察する事が多く
今回はこの話題について考える機会があったので記事にしてみました。

ストリートアートと落書きの違い

ストリートアートと落書きの違い
『ストリートアートと落書きの境界線は見る人によって変わります』


アートの世界は不思議で
「なんでこの作品が評価されているの?」
と感じる作品はたくさんあります。

純粋に写真に近いくらいの画力がある作品であれば
「すごい!」と誰もが思いますが
大きい丸を描いただけの作品やバナナを壁に貼り付けただけの作品などに
何千万もの価値がつくことだってあるのです。


絵画などの芸術作品の価値がつく理由については
「絵画に高い値段がつく理由【アートの不思議をわかりやすく解説】」
こちらの記事で詳しく解説していますが、極端な例で言うと
その辺に転がっている石だったとしても
「この石を1000万円で買いたい」という人が現れれば
その石の価値は1000万円だという事です。


だから究極ストリートアートも誰が見ても落書きだというものであったとしても
世界中にたった一人、その落書きに価値をつける人が現れれば
それは一気にアート作品へと変化します。

ただ、そうするとすべてがアート作品となってしまう為
僕が思うストリートアートと落書きの違いを明確にしていきたいと思います。

◆ストリートアートとは?

『ストリートアートとは社会に対する何かしらのメッセージ性のある作品です』


ゲリラ的に行われるストリートアートは
多くの人の目に触れる可能性があり
それは社会風刺的な意味合いが込められている事が多く
世の中を良くする為に強いメッセージを発信しています。


矢面に立って演説したり、言葉で説明するよりも
アートという手法と使って多くの人に気付きを与える存在が
ストリートアートだと言えます。


ギリギリな発言ではありますが
それが誰かの迷惑になっていなければ
もしくは、過半数の人達の役に立っているのであれば
ストリートアートという手法は正攻法ではありませんが
数多くの人に影響を与える可能性を持っていることは確かです。

◆落書きとは?

『メッセージ性もなく誰かの迷惑にしかならない、人を不快にさせる作品です』


そもそもストリートアート事態は「犯罪」になる可能性も十分にあります。
人の家の壁、公共の建物に落書きすれば
器物破損や軽犯罪として扱われる事もある為
落書きしているところを見つかれば捕まってしまいます。

それは、どれだけ素晴らしい作品を描いていたとしてもです。


ここで勘違いしてはいけないのは
メッセージ性があって、迷惑がかからなかったとしても
犯罪行為には変わらないという認識は持っておかなければならないということ。


だから夜中の誰もいない場所に描いたり
誰も通報しないような、誰にも迷惑がかからない場所で
リスクを抱えながら描く必要があるのです。

落書きと見られるか、アートと見られるかは紙一重。

ただ、間違いなく言えるのは
迷惑行為だけはアートにも成り得ないということです。

バンクシーが社会に与える影響

バンクシーが社会に与える影響
『社会的メッセージと芸術性が高ければ世界中から評価されます』


ストリートアートと言えば「バンクシー」が最も有名で
多くの人が思い浮かべる画家だと思います。


なぜバンクシーが世界中から評価されているのかというと
「メッセージ性の強い社会風刺的な作品を描いている」事もそうですが
「ゲリラ的に美術館などのパブリックスペースに
自分自身の絵を飾り、グラフィティアートの価値を高めた人物」だから
という事から、彼への評価が一気に上がる要因となりました。


「芸術テロリスト」として多くの著名人が
バンクシーの絵を支持しはじめたことから世界中に名前が知れ渡り、
最近でロンドンでのオークションで売却が成立した作品(1.5億円)を
シュレッダーで裁断された話が有名でもあります。

バンクシー自身が仕掛けたイタズラではありますが
オークションでの高額売買への反論としてした行動は世界中でニュースとなり
さらに彼の存在価値を高める事へと繋がりました。

その作品は裁断されたのにも関わらず
再度オークションにかけられれば
倍の値段がつくのではないかとも言われています。


彼の作品には政治的メッセージが込められていて
ダークユーモアな作風が多くの人の心に響き
人種差別や戦争、難民問題などに目を向ける人が増えたのは事実です。

ストリートアートの存在価値

ストリートアートの存在価値
『ストリートアートは誰でも芸術に触れる環境を作っている』


ストリートアートであったとしても、バンクシーのように
「強いメッセージ性」と「多くの人がそれに触れる環境」をつくる事で
落書きはアートとして評価されるようになります。


おそらく彼自身が普通の画家として活動していたのであれば
社会へ発信したいメッセージは極一部の少数の人達にしか伝わらなかったでしょう。

彼を真似して街中にメッセージを込めた作品を描く人も増えたと思います。


普段から常識だと思っていた事に矛盾を感じ
それを言葉ではなくアートで伝える。

しかも、限られた人しか行かない美術館ではなく
街中で誰でも見られる環境に描くことで
メッセージを多くの人に伝える事ができるのが
ストリートアートの存在価値になるのではないでしょうか。


そこに想いもなにもなければ、ただの落書きですが
誰かに何かを伝えたいメッセージがあり
人を不快にさせたり迷惑にならないのであれば
アートとして評価される可能性がある作品へと変わるのだと思います。
絵が人にどのような影響を与えるのかについては
「絵が人に与える心理的効果
【絵画を見る(鑑賞する)メリットについて徹底解説】」
こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
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