画家の方々と一緒に仕事をするようになって
毎日いろんな絵を見ながら生活することによって
絵はいろんな事を教えてくれる
存在だという事に気がつきました。
また、その絵を描く画家という職業を
選ぶ人たちの生き方は
自分の人生観に
大きな影響を与える事にもなりました。
絵に興味が無い人にとったら
ほとんど「芸術」という分野に携わる事なく
生きていく人もたくさんいると思います。
でも、人生とって大切な何かを気付かせてくれる
きっかけを得られる一つの方法として
芸術に触れる事はとても重要な事なのです。
◆人によって見え方がちがう
「目の前のリンゴを描いてください」
こんなお題を100人に問いかけると、
100通りのリンゴの絵ができます。
そうするとまったく同じ絵を描く人なんていなくて
「大きさ」 「形」 「背景」 「色」
それらすべてが違っていて
その人それぞれ個性に溢れている。
りんごの中身を想像して描く人もいれば
りんごとは分からないものを描いたり
りんごが木になっているのを想像して
大きな木がメインになっている人もいる。
色も赤色ではなくて、黄色や緑色、青色など様々です。
これらから、今自分が見ている景色は
みんな同じように見えていると思っていたけど
色や形など全員違っているのではないかと
思うようになりました。
同じ青でも暗い青もあれば、明るい青もある。
自分が常識と思っている固定観念に縛られる事は
実は自分自身の思考を停止させていて
それらにまず疑問を持って物事を考えていくと
面白い発想に繋がったり
自分の考えを押し付けるといった事がなくなる。
人によって違うのは当たり前。
でも、みんなそれに気付いているようで気付いていない。
絵に携わるほど人の見方が違う事を実感させられました。
◆感性という個性を大切にする
日本人は周りと足並みを揃えて
行動するように教育されています。
今の日本の教育は軍隊の時の名残で「協調性」を育み
個性を伸ばすような環境ではないから
周りと違う事を恥ずかしく思ったり
一般的に当たり前だろうという道から外れることで
少し変わった人というような
目でみられるような文化です。
でも、誰一人として同じ絵を描けないのと同じで
誰一人として同じ人生を歩む人なんていない。
あなたの感性はあなただけの感性なのだから
その感性に自信を持って個性として
発揮すれば必ず大きな力になります。
100人中99人があなたに共感できなかったとしても
その中の1人はあなたに共感してくれる。
それは1億人いたら100万人もの人が
あなたの味方になってくれる人がいるという事。
ものの見方を大きくした時に
自分の個性が多くの人にとっていかに
重要で影響力のあるものになるかに気付く。
それは、小さなコミュニティでは力を発揮しないから
大きなコミュニティで発信する力は
自ら身につけなければならないが
実際にそれを実現できた時に本当の生きる価値を
見つける事が出来るようになるのかもしれない。
◆自分の力を信じる心
日本で画家という職業を選ぶ時点で
いばらの道を進む事になります。
その理由として日本での画家という
職業の地位が低い事が挙げられる。
それでもその道で生きていこうと決めた人は
自分自身の信念というものを
しっかりと持った人達ばかり。
人によっては親に反対を
押し切って画家になったり
生活が困難になりながらも
絵を描き続けていた人もいる。
いろんな人に絵で勇気を与えたい。
自分が描く絵を見て癒されたり
優しい気持ちになってほしい。
その願いにも似た想いを
届ける為に日々描き続けています。
「自分自身はこうした人生を歩むんだ」
といった「自分を信じる力」を持っていて
それを実現させている行動力や考え方は
多くの人が尊敬や共感が
できるのではないでしょうか。
多くの画家の方々と話していく中で
僕自身その「生き方」に大きく影響を受けました。
どんな状況でも自分が信じた道を
突き進んでいく姿は純粋にかっこいいと思う。
こうした芸術に触れる事で人生で
大切な考え方を学ぶ事ができました。
これからも絵に触れる事で得た気付きを
伝えていければと思っています。