「日本で美術を教えてもらっても生活できないのはなぜ?」
日本で芸術家という道を選んだ人は
このような疑問を思い浮かべる人は少なくありません。
芸術に対する価値観や画家の待遇などが
日本よりも海外の方が良いという事は
芸術に携わっている人達なら誰もが知っていると思います。。
教育が文化を創っていくという側面もあり
小さなころから受けてきたアート教育は
大人になってからの価値観にも大きく影響してきます。
そんな海外のアート教育ではどのような事を教えているのか。
日本とは何が違うのかについて詳しく解説していきたいと思います。
アートの教育方法は日本と海外では違いがある
![アートの教育方法は日本と海外では違いがある]()
『日本と海外では教育方法は真逆です』
海外の教育は日本の教育に比べて
自由さを優先させているのに対し
日本は評価をする事を目的としている為
自由さがあまりありません。
文化の違いなども関係しているのかもしれませんが
海外の美術学校ではカリキュラム自体が組まれていないこともあります。
生徒が自ら考え、行動する事が出来る事を前提に教育が進めていく為には
価値観や育ってきた環境、アートとどのように触れてきたかなどが
大きく関わってきます。
日本と海外では子どもの頃からアートが身近にある環境で育っている事から
そもそものスタート地点が違うのです。
◆教育の視点が違う
『日本は技術を重視し、海外ではコンセプトを重視されます』
日本の学校では、デッサンであったり着色という基礎的な部分や
アートの知識についてしっかりと学んでいきます。
「基礎がなければ応用もない」ことが日本の教育では
どのような分野であっても重要とされている為
最初は対象物をリアルに描く技術的な部分を重視して評価しています。
海外でも、そのような教育もされているのですが
どちらかというと技術的な面を評価するというよりは
下記のような視点で教育しています。
「なぜその作品を創ろうと思ったのか」
「この作品にはどのようなメッセージが込められているのか」
「どんなプロセスで創作したのか」
「作品のコンセプトはなんなのか」
このような外見ではなく中身の部分を深掘りしていきます。
日本と海外の教育の視点では、このような違いがあるのです。
◆学校という場所の役割
『海外では学校は完璧を求める場所ではありません』
先程も説明したように
日本では評価を基準として評価制度やカリキュラムが組まれている為
絵を描き上げる事を目的としています。
対象の物を描き始めたら、それを完璧に描き上げるまで
何回も訂正していく教育方法が日本では一般的です。
それに対して海外では、対象物を描いている途中で
同じキャンバスに別の角度から見た絵を複数描くというような事があります。
おそらく日本でそれをすると描き直しを講師は要求する事になりますが
海外ではそうした事はしないそうです。
あくまでも学校という場では「練習」や「創造性を膨らませる」という意識が
講師と生徒との間に共通認識としてあり
良い作品を創る為の過程として、その場の感性に合わせて自由に
成長させていく教育環境があります。
芸術で生活していく事を想定した教育
![芸術で生活していく事を想定した教育]()
『海外では技術よりも芸術家として生きていく道を教えてくれます』
日本では極端に言うと「技術」だけしか教えてくれません。
芸術家として生きていく方法についてはほとんど触れずに
いきなり社会に投げ出されます。
講師自身も芸術家として生きていく方法を知らないという原因もあり
限られた道しか示す事が出来ないのが現状です。
でも、海外では芸術家が作った作品を説明する場が多く
開催した個展やメディアに出る事を想定して
作品のコンセプトや創るまでのプロセスなどを
魅力的に説明する能力を非常に重要視しています。
こうした実践的な環境があるからこそ
海外では芸術家として活動出来る人が多いのではないかと考えられます。